金融機関の方の肩書は通常の会社とちょっと違います。

どの人が偉い人か、金融機関の内部のしくみを知ることで見えてくるものがあります。

この記事では金融機関の肩書役職、融資のキーマンについて見ていきましょう。

 

金融機関の役職の序列

金融機関の肩書を以下に並べてみました。

全ての支店でこれだけの役職があるわけではありません。人数の少ない支店では、ポストを飛ばすこともありますが(例えば主任の次は係長を飛ばして支店長代理など)、順番としては以下のようになっています。

数字が多い方に向かって出世していくという序列です。

  1. 一般職
  2. 主任
  3. 係長
  4. 支店長代理
  5. 課長
  6. 次長
  7. 支店長

ここでちょっと気になるのが、4の支店長代理です。支店長の代理なので、支店ナンバー2のポストであるかのような気がしますが、実は違います。語弊を恐れずに言えば、支店長代理はそんなに偉くありません。

また、金融機関では、一般的な会社でいう管理職のことを「役席(やくせき)」といいます。これも金融機関特有の用語です。おおむね3の係長や4の支店長代理を境にそれより上役が役席と呼ばれます。また、その堺より一般職までが担当と呼ばれます。

3つの部署

そのうえで、金融機関の支店には3つの担当部署があります。
支店長をトップに置き、次の3つの部署に分かれます。

  1. 渉外担当部署
  2. 貸付担当部署
  3. 事務担当部署

これらの部署にはそれぞれ責任者がいます。その方を担当役席といいます。例えば渉外担当部署の責任者は渉外担当役席です。

普通の会社で言い換えると、担当役席は〇〇課長や〇〇部長というイメージです。

渉外担当部署

渉外担当部署は外回りのいわゆる営業部です。営業マンが所属する部署です。

貸付担当部署

貸付担当部署はその支店における融資に関することをやっている部署です。

事務担当部署

テラーと言われる窓口業務です。出納業務、伝票を入力したりしています。女性が多いです。

 

金融機関のキーマン

以上がざっくりとした金融機関の支店の内部の状況です。

この中で、融資をスムーズに進めるために重要な人物は4名います。

  • 担当者
  • 渉外担当役席
  • 貸付担当役席
  • 支店長

この中でのキーマンは貸付担当役席ということになります。それはどういうことかというのを、融資が決まる流れに沿って説明していきます。

まず、通常は融資をしてほしいとなったら、

①お客である社長が、担当営業である渉外担当者に融資を申込みします。

②担当者は社長の事業の中身をヒアリングして、融資稟議書という書類を作成します。

融資稟議書とは
企業の基本情報、決算状況、融資条件、担保や保証人、返済能力などが書かれた書類です。支店内の上司に回覧され、決裁されます。この出来の良し悪しで融資が下りるかどうか、満額でるかどうかが決まる、非常に重要な書類です。

 

③融資稟議書はまず、担当者の直属の上司である渉外担当役席に回されます。

④つぎに支店の融資の責任者である、貸付担当役席に渡ります。ここが一番の関所です。内容に不備や疑問点があれば担当者に差し戻され、書き直しということを繰り返すことになります。

⑤貸付担当役席がOKすれば、支店トップの支店長にまわります。支店長の決裁権限枠内の金額であればここで決裁されます。

⑥支店長の決裁権限枠外の高額であれば、本部の審査部担当者→審査部役席→審査部長とまわって

⑦決裁となります。

以上のように、担当者が作った融資稟議書は、6人の上司を渡り歩くわけです。その6人は、社長と面談しない場合は、融資稟議書しか判断材料がありません。

つまり、この融資稟議書という文書は、6人を説得できる内容でないといけないわけです。繰り返しになりますが、非常に重要なものなのです。

ここまでが通常の融資の流れです。

この流れを少し変えて、融資をスムーズに、確実性を上げるために進めるには、貸付担当役席がキーマンになってきます。

 

融資の確実性をあげるためにやるべきこと

企業の情報の提供

融資をきっちり通すためには、しっかりとした精度の高い融資稟議書が必要です。そのためには裏付けとして事業内容や、社内の状況や将来の見通しなど、たくさんの情報が収集されていなければいけません。

結論から申し上げますと、企業の側から積極的に情報提供を行わなければいけません。

それはなぜかというと、ここで問題になるのが、金融機関の営業マンである渉外担当者です。渉外担当者の多くは一般職ですので、まだ経験が浅い場合もあります。

また、

「銀行の担当者が変わったら融資が通りにくくなった」

という中小企業の社長は多いといいます。

さらに、金融機関は定期的に異動転勤がある職種で、3年ほどで担当者は交代していきます。

つまり担当者の情報収集能力にはバラツキがあり、交代も頻繁なので社長の側では安定維持出来ないものなのです。

 

貸付担当役席とのパイプを作る

そうなってくると、いくら情報提供を行っても、担当者相手では心細いですね。

融資は、融資の責任者である貸付担当役席の決裁が重要視されるのですから、担当者に加えて直接貸付担当役席に情報を提供するのがいいでしょう。

普段から、できれば毎月業況報告に訪問して、自社の状況、情報をリアルタイムで伝えておきましょう。そうすることで企業の情報は貸付担当役席の頭の中に蓄積されますし、なんといっても親密度が上がります。

仲良くなることで、数字以上の考慮をしてもらえる可能性が高まるはずです。金融機関と言えども最後は人間対人間の関係ですから。

融資責任者の融資担当役席は、これまでいろいろな融資案件を経験してきています。

そのノウハウと提供した情報とを組合せて、担当者から上がってきた融資稟議書について具体的で的確なアドバイスができるようになります。そうすることで、担当者と貸付担当役席とのあいだの稟議書の訂正、やりなおしが少なくなり、説得力のある制度の高い文書ができることになるのです。

 

まとめ

金融機関の融資のキーマンは融資担当役席です。

いざ、融資をするというときのためにも、普段からパイプを作るようにしましょう。

事業計画書を作ってそれに対する進捗状況や業況報告をしに毎月訪問するようにしましょう。

金融機関としても企業の情報はなるべく把握しておきたいところです。訪問し自社の説明をすることは迷惑でも何でもありません。これを積極的に続けていくことで自然な感じでパイプができます。パイプを作ったら太めましょう。

精度の高い、上質な融資稟議書が作成され、また時間も短縮されるのでメリットが多いです。

是非参考にしてください。