金融機関は、あなたの会社の こういう情報を欲しがっています。
銀行や信用金庫などの金融機関に融資をしてもらいたい場合、まず担当者に相談してみますよね。
担当者は相談を受けてあなたの会社への融資を検討し始めたら、するべきことがあります。
融資稟議書を作成するための、あなたの会社の情報集めです。よくわからない会社にはお金は貸せないのはあたりまえですが、ポイントとなる情報を企業側から積極的に提供できれば、貸してもらいやすい企業になることができます。
この記事ではそのポイントについてみていきましょう。
知っておきたいポイント5つ
金融機関が知っておきたいポイントは次の5つです。
- 企業概要
- 業務フロー
- 将来性
- 財務状況
- 社長の資質
1つずつみていきましょう。
1,企業概要
企業概要というのは「所在地」「代表者名」「創業年」「設立年月日」「主要仕入先」「主要販売先」「主要株主」「従業員数」「店舗数」「会社の沿革」などのような、どちらかというと見ただけでわかるような情報です。
基本的な事すぎて、
「なんだ、そんなことか」
と思われたかもしれませんが、重要なことです。これらの情報でまずはその会社の全体像を掴むことができるからです。
ホームページを持っている会社は、「会社概要」としてこれらの情報を記載していることが多いですが、上記全てが掲載されていますでしょうか。
また、金融機関の担当者がホームページを隅々まで見てくれているとは限りません。改めて一覧表にして渡せば喜ばれるでしょう。
2,業務フロー
業務フローというのは会社の業務の流れを図にしたものです。
「流れ」という形のないものを図にすることによって、目に見えるようにして関係者で確認し合うためのものです。
金融機関の担当者は意外と、担当先企業の業務について深くは理解していません。そして業務の流れが理解できていないと説得力ある稟議書が作れません。
かと言って、専門知識もないのに
「御社の業務フローを説明してください」
とは言い出しにくいでしょうから、企業側から積極的に業務フローをつくって渡しましょう。
どこがわからない部分なのかがわかるようになり、質問もできるようになります。あなたの会社への理解度が格段に高まるはずです。
3,将来性
いま、金融機関は
「決算書の内容や担保の状況という現在だけの状況にとらわれず、将来性を判断して融資をおこなう」
という姿勢に転換している最中です。(これを事業性評価融資といいます。)
しかし、今まで支店でそのような融資をしてこなかった担当者には、あなたの会社の将来性がどこにあるのか、分析を行うことができません。
会社が持つ「強みと弱み」はなんなのか、「市場にチャンスはあるか、またおびやかされるようなことはないか」について伝えることで、自社の将来性についての材料を金融機関に渡すことができます。
4,財務状況
財務状況とは、企業の資金調達や資金運用の状況、または予算の進捗状況のことをいます。いわゆる「数字」というものです。
数字について金融機関がチェックするのは、具体的には財務諸表の上から順に「売上高」「売上原価」「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「当期純利益」です。
これらの数字の推移を3期分見ていきます。時間的な経過を踏まえて比べてみることにとても意味があるからです。
今までなら2期連続赤字や債務超過だと融資してもらえることは少なかったのですが、上でも触れたとおり将来性を評価して融資する「事業性評価融資」の方針に転換しているため、財務内容が良くなければそれ以上に将来性をアピールすることで融資をしてもらいやすくなります。
5,社長の資質
最後の5つめは社長の資質です。資質というと難しいですが、ようするに社長自身の人間性そのものという意味です。
意外にも金融機関が融資をする上で最も重要視しているのが、この社長の資質です。
中小企業に融資するというのはその経営者である社長に融資するようなものだからです。
企業が発展していくのも衰退していくのも経営者次第だと考えています。
その経営者を知るのに、特に金融機関がチェックしているのが「経営理念」や「ビジョン」です。経営理念やビジョンを明確に打ち出している社長は軸がしっかりしています。ぶれません。
その結果高成長につながるというケースが多いため、金融機関も取引先企業の経営理念についてかなり注視しています。
まとめ
金融機関が融資をするのに知っておきたいことは大きくわけて5つです。
「企業概要」、「業務フロー」、「将来性」、「財務状況」、「社長の資質」の情報を提供しましょう。
もちろん嘘や大げさはいけませ。ややマイナスな情報があってもそれぞれを組合せて関連付けて説明したり、一覧表にしたりして、企業の側からアピールすることで、金融機関からの評価はずいぶん変わるはずです。
こつこつとやっているうちに「ぜひ融資をしたい企業」になれるはずです。